丈青《I See You While Playing The Piano》

Notes



インタビュアー
柳樂 光隆(ジャズ評論家)

インタビュイー
丈青(ピアニスト・作曲家)

丈青さんって、どういう経緯でジャズのシーンに入ったんですか?大学のジャズ研とか?
ジャズ研とかに所属したことはないし、音大にも行ってなくて、独学なんだよね。つるむのも好きじゃなかったし。だから、いわゆる同世代のジャズメンの人たちが若い時(デビュー前)にどうだったかを知らないんだよね。日本のジャズメンってジャズ研出身の人も多いでしょ。縁がなかったな。
独学ですか?!
ピアノに本格的にのめりこんだのは広島にいた20歳くらいから。高校1年生くらいから、ブルースのバンドとかで仕事が来るようになって、お金も貰っていて。40歳くらいのベテランの人たちの中に高校生で混ざって、大阪とか福岡とかのツアーに連れて行かれたりね。20歳くらいの時に東京のバンドにも誘われるようになった。特にピアニストになろうとか、音楽で身をたててとか全く考えたことがなくて、やっているうちに自然にそうなっていった。だんだん仕事が増えてきて、あるJ-POPのボーカリストのバックの仕事を依頼されたんだけど、嫌いだったから断ったらお金がなくて、バイトやったりもしたよ(笑)。そうしているうちに仕事が増えてきて、やりたいのだけで、その中にジャズもあって、みたいな感じかな。
どっかのシーンにいたとかそういう自覚はないんですね?
ただ、依頼された仕事をひたすらやっていたね。でも、やりたいことしかやっちゃだめだと思っていたから、ダサくなっちゃうから。やりたい仕事だけで、スケジュールを埋めるのが大事なんだよね。
ちなみに歌と一緒にやるなら誰とやりたいですか?
自分でやりたい音楽でボーカルを呼ぶとしたら、ホセ・ジェイムズかな。ホセはナイーブだよね。ああいうキャラクターっていないじゃない?ブラックミュージックも含めて幅広い音楽を理解していて、あのステージングができてさ。男でこういうおしゃれでかっこいい人は他にいないしね。しかも、あのバランス感ね。人種的にも、NYではやりづらかったりして大変だったみたい。
今はスターになっているけど。
ホセは一度アメリカから離れるようにロンドンに行っていますよね。
そうそう。悩んでたもん、昔は。今は楽しそうだけど。そういう影のあるキャラクターも色気にも繋がってるんだよ。そういうのってミュージシャンとしてとても重要。
セクシーですよね。おしゃれだし。ちなみにどこで知り合ったんですか?
ホセと初めて会ったのはSOILの仕事で行ったNYだね。ライブハウスの地下の楽屋の前に一人で立っているお兄ちゃんがいて、それがホセ。アーティストだと思ってなくてさ、用務員のお兄ちゃんかなんかかなと思って、「何やってんの?」って話しかけて、仲良くなった。「今日、俺も歌うんだよね」って言われて、「え、マジで?」みたいな。それで、一緒にやったら楽しいし、合うしね。彼がスターになったのは当然だと思う。人間的に魅力があるし、色気もあるし、いいやつだしね。
ホセの音楽には人が集まってくる感じがありますね。
すばらしいDJはフロアに人が集まってくるし。どの楽器でもね。昔、結婚式の仕事をよくやっていて、その時は子供が踊ったりするのが指標だったよ。騒がしい会場でこっちに興味を向ける人が増えて、拍手が増えていくとかね。自分が楽しむことも大事にしている。エゴイスティックなことじゃなくて、本当に魂が喜んでいるっていう状態は簡単に共有できるから。お客さんのことを考えて楽しむっていうかさ。いつもそう考えながら演奏しているよ。

プロフィール


柳樂 光隆 (音楽評論家)
ジャズとその周りにある音楽について書いている音楽評論家。島根県出雲出身。現在進行形のジャズ・ガイド・ブック「Jazz The New Chapter」監修者。CDジャーナル、JAZZJapan, intoxicate, ミュージック・マガジンなどに執筆。Otis brownⅢ『The Thought Of You』, Taylor Mcferrin『Early Riser』, Flying Lotus『You’re Dead』ほか、ライナーノーツ多数

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